報道ニッポン 現代画報 国際ジャーナル 終わらない戦争

国際ジャーナル8月号に「世界約7000万個の恐怖── 数字で見る"悪魔の兵器"の実情」というコラムが載っていて、すぐにこの悪魔の兵器が地雷であることに気がつきました。時々、カンボジアの地雷撤去の様子を写したフィルムがテレビで流れますが、被害に遭われた人々の過酷な現実を見せつけられると、平和な日本に暮らしていることが恥ずかしくなってしまいます。一方で、恥じたところで何も変わらないのだから、人間の残酷さと対峙しなければいけないと頭の片隅でヒンヤリ冷たく考えている自分がいます。地雷によって指を飛ばされ、腕を飛ばされ、足を奪われ、失明させられた人々。対人地雷が悪魔の兵器と呼ばれるのは、人を苦しめるための兵器だからでしょう。希望の無い苦しみと明日への恐怖は人間の尊厳を奪います。
地雷除去機を日本の会社が作っていることを知ったのは最近のことです。山梨日立建機は10年以上に渡って地雷除去機を開発、現在世界7カ国で70台が作業にあたっているそうです。地雷のせいで農地整備が遅れていることも考え、除去作業をしながら開墾できる機械を生み出したアイデアはすごいですよね。彼らの技術力、マンパワー。同じ日本人として頭が下がります。この地雷除去機がもっと普及して、地元の人たちの力で安全な大地を取り戻せることができれば・・戦争は終わるのでしょうか。



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